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21日、全国の新型コロナウイルス新規感染者は午後9時現在で、1033人となりました。東京都で258人の感染が確認されたほか、大阪府では166人、愛知県では90人の感染が確認されました。今後の新型コロナウイルスへの対応や、22日で開始から1カ月を迎える『GoToトラベルキャンペーン』について、安倍政権の屋台骨である菅義偉官房長官に話を聞きました。 ◇21日の政府の分科会では、専門家から「ピークに達し、減少傾向にある」「再び増加に転じる可能性も十分にある」などの見解が示されたが、感染状況をどうみていますか?
私どもは素人ですから、政策判断をする時は、必ず専門家に相談をさせて頂きながら政策を進めていきます。そういう意味において、分科会でそのような発言をされたことがすべてなんだろうと思っています。 ◇Gotoトラベルが7月22日に始まりました。人の動きが増えていくと感染者が増えるという経済活動と感染防止のジレンマについてどう感じていますか?
どこの国でも同じ悩みを持ちながら両立を目指しています。政府としては、欧米や中南米のような爆発的な感染拡大は絶対阻止をする、国民の命と健康を守る。そのうえで、状況を見ながら経済活動と両立させていかないと、国そのものが立ち行かなくなってしまうので、悩みながら進めているというのが実態で、政治の役割・責任だと思っています。 ◇岩手県の達増知事はGoToトラベルについて「7月中に始めたのはちょっと早すぎた。失敗と言っていい」と発言しています。現段階でGoToトラベルをどう評価しますか?
やらなかったことを考えたら、大変なことになっていたと思います。実は、地域に根差して貢献している人が圧倒的に多いのは、観光業者の人たちです。地方のホテルや旅館は稼働率1割ちょっとでした。旅館に食材を納めたり、土産物を作る、バスやタクシーなども絡んでいて、約900万人の人が直接働いていると言われています。観光業は極めて厳しい状況のなかで、感染防止の対応をした所に協力をお願いできるような仕組みにしました。そして、直近までで延べ200万人が利用して頂いていますが、このうちコロナに感染した人は10人でした。そうした面で、地域の活性化に少しは役に立ってきていると思います。 ◇8月に入ってから重症者が増えていますが、今の状況のまま進めていくのでしょうか?
状況を見ながら進めていくわけですが、沖縄の今の重症者数は16人で、重症者用のベッドが47床あり、ECMOを使っている人はいません。全体を見ながら進めていますが、沖縄の観光業界からは「GoToトラベルを絶対やめないでくれ」という声が来ているのも事実です。 ◇杏林大学医学部・山口芳裕教授は先月22日、東京都のモニタリング会議で「医療はひっ迫していない。だから遊びましょう、あるいは旅しましょうということが、現場のこれだけ疲弊している医療者にどういうふうに響くか想像力を持って頂きたい」と訴えました。こういった声も含めてどう受け止めますか?
医療現場の方には、本当に献身的に努めて頂いていて、心から感謝申し上げたいと思います。それと同時に、全体を見ながら、社会経済活動と感染防止を進めていかなくてはならないと考えています。 ◇政府としては、医療崩壊しない程度であれば、一定程度の感染者は容認して、経済活動を進めていくという考え方ですか?
容認ということではなく、感染防止には全力で取り組んでいきます。それと同時に、社会経済活動をそのままにしてしまったら、国が立ち行かなくなり、生活もできなくなります。そうしたことを見ながら、両立することができるように、悩みながらではありますが、進めていくことが政府の責任でもあると思っています。 ◇社会経済活動と感染防止を両立するために、例えばPCR検査の拡充など、国民が“安心”するための、政策はありませんか?
PCR検査も徐々に広げていますが、政府としては、抗原検査などありとあらゆるものを活用して、必要な人が受けられるようにしていきたいと思っています。 ◇全国知事会の緊急提言では「新型コロナ特措法を改正し、事業者への休業要請に強制力を持たせる罰則規定を設けるべきではないか」「休業した事業者に対して国による補償金的な協力金の制度化を図っていくべきではないか」といった声がまとめられています。新型コロナ特措法改正についての考えは?
特措法は3月に、今回のコロナ用に改正しました。そのなかで、緊急事態宣言などについて慎重に判断すべきだという国会決議がなされています。政府としては、そうした決議をもとに今、対策を行っています。事態が収束した後には、この特措法の改正も含めて、今回の政府の対応を検証して対応していく必要があると思っています。 ◇収束した後では、改正したとしても全く別の感染症になりますよね?
今は3月に改正したものがありますから、それに基づいて執行していくということを優先すべきじゃないでしょうか。とにかく感染拡大を防止していく、国民の皆さんの生活を守っていくことが大事だと思っています。 ◇野党は憲法に基づいて国会召集を求めていますが、なぜ開かないのでしょうか?
特措法は3月に改正しています。それと同時に国会で予備費10兆円を認めて頂いています。コロナ対策で必要な時は機動的に動ける体制になっていますから、まず感染拡大を防止して、社会経済活動を両立させるということを行っていくということが大事なんじゃないでしょうか。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース